Vintage Jeans 用語辞典

ヴィンテージジーンズとは?

諸説ありますが、1870年代から1960年代までに世の中へ向けて発売されたジーンズを指します。

今となってはジーンズLoverの方々が多くの情報を書籍や文献、デジタル資料として残してくださったり、人から人に言葉で伝えていただいたりして知識を持つことができています。

しかしながら、それらの情報が全てひとつの真実とは限らないことを我々は理解しています。

なぜなら、ジーンズはひとつひとつ人の手で作られ、工場も様々だったからです。

それ故、個体によってディティールの違いも発生するケースも多々あります。

つまりそれは皆さんが所有するヴィンテージジーンズひとつひとつに歴史があるということ。

だからこそジーンズは面白い。

このヴィンテージジーンズ用語辞典はあくまでもJELADOによるヴィンテージジーンズのひとつの解釈です。

是非、お楽しみください。

 

用語(リンクは各用語のブログ記事へ) イメージ 説明
101J 1931年から存在する101Jはウエスタンスタイルで登場する。ワンポケットスタイルでCOWBOYという方が馴染みがある。ツーポケットスタイルになった1940年代から現在出ている復刻まで形に変わりがなくデザインとしての完成度が非常に高い101Jは、噂での話になるが後にLEVI'S から出る557XX(3rd)は、この101Jを真似て作られたのでは??と言われている。理由は557XXと101Jは作りが似ている為。
501XX 1890年に初めてロットナンバーをつけられた以来、時代とともにデザイン、生地、シルエット、縫製仕様など少しづつ変化しながら1967年頃まで続くヴィンテージの永久定番。
デニム好きな誰もが一度は穿きたいと思わせる究極のストレートデニム。
506XX 通称1st。1890年代頃から存在する1stは左胸にポケット、背面に針刺しのシンチバックが付くのが特徴。1923~28年頃にフラップポケットになったと言われており、1936年にクリスルシアが考案した赤タブの付いた1stが登場。途中、第2次世界大戦で物資統制。その期間ディテールの変更はあったものの1947年までは針刺しバックル。47年からスライドバックルに変更。1952年まで存在する
507XX 通称2nd。1952~62年まで。1stと大きく違うのはポケットが左右に付き背面のスライダーバックルの排除。両サイドにボタンが付きそこで身幅の調整。1952年まで1stが存在していたこともあり2ndにも革パッチ、片面タブ(2ndは基本両面タブ)が存在する。またこの2ndから紙パッチが採用される。1955年~62年の紙パッチに記載されるEVERY GARMENT GUARANTEEDの文字が入る紙パッチをギャラあり、入らないものをギャラなしという。
557XX 通称3rd。2ndとは大きく変わりスタイリッシュになる。のちの70505~現在に至りこの3rdをベースとしたジャケットをリーバイスは販売。長年愛され続けており、ジャケットの完成形とも呼ばれているのがこのモデル。このモデルの最初期にはギャラありが存在する。それ以降はギャラなし。またこの何年かで1st、2nd同様に3rdの人気も高く価格も高騰。
66モデル
1973年〜80年頃に生産されたジーンズ。
66モデル以前のジーンズは赤タブに記載さてているリーバイスのEが大文字の[LEVI’S]ビッグE
1973年を境に以後リーバイスのeが小文字の[LeVI’S]スモールeへと変更されます。
66モデルの大きな特長のひとつとしてスモールeが挙げられます。
また66モデルの中でも前期・後期と区分けされていて、前期の方が人気も値段も高いです。当時、新品のジーンズを購入するとバックポケットに付いているフラッシャーと呼ばれる紙ラベルに「©1966」と記載されていた為、66モデルと呼ばれています。501XXからだいぶシルエットや生地も変更されており、少し細めで裾にテーパードされたすっきりしたデニムになります。
昨今急激なヴィンテージデニムの高騰で66モデルの評価も格段に上がっております。
70505 70505 1967年頃から登場する70505は557XXから多少のディテール変更はあるもののベースは557XX。これは今の現行モデルにも同じ事がいえる。今現在1st、2nd、3rdの値段が高騰しているがこの70505も値段が上がるであろう品番。67年〜70年まではBIG E、71年からはスモール eで登場する。
アーキュエイトステッチ リーバイスのバックポケットに縫い込まれた弓状のステッチの事で1873年に施される。このアーキュエイトステッチは年代で少しずつ形を変えている為、年代班別の材料にもなる。また多くのブランドがこのステッチを真似た事もあり1943年に商標登録している。
アウトシーム デニムの外側の縫い目の事。out(外側)seam(継ぎ目、綴じ目、縫い目)。
青耳 リーバイスのNO.2デニム、Leeのセルビッチデニムに見られるのが青耳。リーバイスとリーの区別をするのにリーバイスは赤耳、リーは青耳という説がある。
赤タグ 1940年代のLeeの101シリーズで付けられていたタグの事を示す。
赤タブ / レッドタブ
〈リーバイス〉製ジーンズの右バックポケットの左側に縫い付けられている、赤地の小さなタグのこと。その名はもとより、取り付け位置も商標登録されており、他社のものは一般名称である「ピスネーム」と呼ぶのが正解。ちなみに織り込まれているブランド名が大文字の場合は“ビッグE ”、小文字は “ スモールe ” と区別され、ヴィンテージ古着の世界では年代判別の基準にもなる。モデルの違うものではオレンジタブ、ホワイトタブ、シルバータブなども存在する。時代によりレーヨン素材からポリエステル素材へと変わっていく。
赤耳
デニム地の両端の耳部分をいう。英語ではセルビッジと呼ばれ旧型の織機でデニム地を織る際、生地末端のホツレを無くすために付けられたもの。特にリーバイスのものは赤いステッテが付けられていることから、通称「赤耳」とよばれる。1986年に消滅するまで継続され、VINTAGEを語る上で欠かせないディテールでもある。
アタリ
デニム特有の色落ちの一種であり、繰り返しの着用や洗濯によって生地の表面が擦れ、糸の芯にある白い繊維があらわになった状態を指す俗称。ポケット口やサイドシームなど要所に見られ、穿き込まれたジーンズならではの味わい深い表情をもたらしてくれる。例えば、裏側のセルビッジに当たって現れたライン状の色落ちは「セルビッジのアタリ」と言う。パッカリングもその一種
アモスケイグ 1915年にコーンミルズ社のデニムを使う以前は、リーバイスにデニムをおさめていた会社がアモスケイグ社です。1922年でリーバイス社とのデニム生地の取引は終了しております。
アメリカ東海岸のニューハンプシャー州、マンチェスターにあるのがアモスケイグ社(Amoskeag Manufacturing Company)です。
アモスケイグ社のある地域は、New Englandとして知られ、アメリカの最初の製織工場が建てられたところで、1873年にはアモスケイグの生地は高品質で良く知られていました。アモスケイグは1831年に会社組織となり、1860年代中頃にはデニムの生産を行っていたようです。
インシーム デニムの内側の縫い目の事。in(内側)seam(継ぎ目、綴じ目、縫い目)。
インディゴ染料 一般的に天然と合成で分けられるとおもいますが、5ポケットジーンズが作られるように時代からはほぼ合成インディゴで染められたものが多いと思います。
1800年代後半にドイツの科学者たちが開発した染料が合成インディゴで、1900年代初頭のころはドイツからインディゴ染料を輸入をしていたようです。
綺麗な青みと色落ちの美しさからジーンズを作るうえでは唯一無二の染料と言えるでしょう。
ウエストオーバーオール ジーンズの原型のデザイン指す
ウエストオーバーオールとはオーバーオールのビブ(胸当て)部分をカットして生まれたと言われており、腰でとめるワークパンツという流れからジーンズに形を変えていく源流ともいえるボトムスになります。
ウエストバンド
ウエスト周りの帯状のパーツをウエストバンドと呼ぶ。リーバイスデニムの’30年代後半になると、この下側部分はチェーンステッチで縫製されるが、上部はシングルステッチ縫製のままで、’60年代後半から上部もチェーンステッチになる。
オンス ヤード・ポンド法における質量の単位で、1オンスは約28.3g、記号は「oz」で示される。ジーンズでは生地の重量を表すために用いられ、パンツ1本あたりではなく、1平方ヤードの重さを指す。10~14オンスが一般的とされ、オンスの重い厚みのあるデニムを「ヘビーオンス」、軽くて薄いデニムを「ライトオンス」と呼ぶ。
隠しリベット
隠しリベットは、1937年から1966年まで採用された仕様です。これ以降から、バータックが採用されて、この隠しリベットは歴史の産物になりました
カンヌキ 隠しリベットの代わりに採用された。ジーンズのバックポケットの縁に太い糸を使って補強を施すことでリベットと同等の強度を持つといわれている。別名はバーダック。
黄タグ 1970年代頃のLeeの101シリーズに使われていたタグ。
ギミーブック 1954年からラングラーのジーンズに付属されたミニブック形式の保証書。ギミーブックはそれぞれストーリーがありギミーブックを探しているコレクターも実は多い。
ギャラあり・なし EVERY GARMENT GUARANTEEDの文字が入る紙パッチをギャラありといい1955~62年の501XXや507XX、557XXの初期に見られます。EVERY GARMENT GUARANTEEDの文字が入らないものは62年~66年頃まで。その為、557XXや507XX(最終期)の中にもギャラなしが存在します。
ギャランティチケット 紙タグ(スラッシャー)とは別で付いてくるチケットの事で品質保証書の事を示す。1890年当初は現行と同じようにスレーキ部分にプリントされており、1番最初にギャランティーチケットが付いたのは1892年…
クリス・ルシア 赤タブの発案者。ロデオの会場で『リーバイスの着用者』を現地で調査(非公式)するも誰がリーバイスを穿いているか分からなかった為、目印として発案されたのが赤タブ。1936年9月1日にオーバーオールからこれを採用。
グリッパージッパー 1950年中頃から60年中頃まで見られるジッパー。角型のタイプもピンロックだと50s半ば、カムロックであれば60sという年代判別ができます。他に先細と呼ばれるタイプもあり先細は60s中頃まで見られます。
黒タグ 1950年代頃に見られるLeeの101シリーズで見られるタグ。
コインポケット
その昔は懐中時計を入れていたと言われるコインポケット。両サイドのリベット留めは、大抵のモデルが第二次大戦期のみ廃止されたが、戦後に復活。ポケット口には’60年代くらいまでセルビッジ付きが多い。ベルトループのない時代はコインポケットも高めに縫い付けられていた。
コーンミルズ アメリカを代表するデニムミル。1915年より〈リーバイス〉のサプライヤーを務め、ヴィンテージと呼ばれる時代の生地を実際に生産していたことから、デニムファンの間では信頼の名門メーカーとして一目置かれている。現在は「コーンデニム」と社名を改め、多くのブランドにデニム生地を供給。
サイレントW リーバイスでいうアーキュエイトと同じくラングラーにもサイレントWというものがある。バックポケット、ジャケットのポケットにWのステッチが施される。年代が変わることで形状が変わる点もリーバイスとよく似ている。
サスペンダーボタン LEVI'Sのみならず多くのブランドでもこのディテールは目にする。LEVI'Sの場合は501のロットナンバーが付く1890年よりも前から見られます。1922年モデル501XXでサスペンダーボタン+ベルトループが付くがまだこの時はベルトをするという習慣がそこまで浸透しておらず1937年モデルでサスペンダーボタンがなくなる。イコール作業着ではなくファッションとしての501XXがスタートする。
ジェルトデニム Leeが1925年に採用したワークウエアー用のデニムの事で、生地が柔らかく動きやすい特徴があり、織密度にも工夫しており強度が高い。機能性、耐久性が必要なワークウエアーに適したデニム生地。
ジップフライ まずボタンフライ、ジッパーフライの『フライ』とはそれらを隠す比翼の事を表す。デニム以外のボトムスも含め隠すものがジッパーならジッパーフライとなる。1925年に開発されたジェルトデニムとフックレスファスナーを組み合わせたオーバーオールがおそらくジッパーフライのスタートでそれがLeeでは有名なWHIZITである。ジーンズでは1926年に世界初となるジップフライの101Zを発表。
シャトル織機
日本では旧力織機などといわれるセルビッジ(先述)付きのデニム生地を織る織機であり、ヴィンテージと呼ばれる時代の生地を実際に製織していた織機である。
より効率的に大量生産できる最新の革新織機と比べ、生地幅は約半分、スピードも1/6ほどと著しく生産性が低く、かつ現在は製造されていない年代モノの機械のためトラブルは日常茶飯事、また日々のメンテナンスや調整も不可欠と非常に手間暇を要する。
しかし、ヴィンテージならではの魅力である不均一なザラつきのある風合いや粗野な表情は、力織機でしか表現できないことから、希少で価値あるものとしてデニムファンから高く評価されている。
シュリンク・トゥ・フィット 未洗いのデニム(生デニム)を洗うことで大幅に縮ませ、自身の体にフィットさせることをシュリンク・トゥ・フィットという。
ステッチ
シングルステッチ、チェーンステッチなど縫い目のことを言う。1920年代までは、ジーンズの縫製は上のような本縫い(シングルステッチ)だった。その後大量生産化に伴い、ヨークやインシームなどで巻き縫いが採用され、チェーンステッチが使われるように。裾もチェーンに変更された。 ステッチの運針や縫い糸の素材により年代判別の一つの証拠となるポイントでもある。
スレッドリベット Leeがバックポケットに対し金属での補強ではなくX型の補強縫製を採用。理由としてサドルを傷つけないためでカウボーイパンツに見られるディテールの1つ。1924年から使われている。
セルビッジ デニム生地の耳のこと。平織りの「平耳」、綾織りの「綾耳」、耳のないロック留めがある。平耳は戦前に多く見られる。赤耳もセルヴィッチの一種であり別色の耳なども存在する1960年代以降、デニムの生地幅が広くなり、耳の無い生地端にロック留めを施すようになった。
大戦モデル
1942年から45年の物資統制下の中で作られたS501XXを指します。リーバイス社がアメリカ政府の戦時製品監督局(WPB)から規制された物でジーンズを作るのに物資の無駄と考えられる部分を排除された
非常にレアなモデルでかつヴィンテージの人気もすさまじいもので高額に取引される至高のモデルです。
頭文字にSが付きますがSimplified(簡素化された)のSで 通常の501XXとは違うという識別された物でした。
タイプ物 1967~69年頃に見られるパッチの501印字の上にS、A、F、Iと記載のあるものが存在し、それをタイプ物と呼ぶ。そのほとんどはSかAのどちらかで、FやIはほぼ見かけない。その為、品質でいうとSやAタイプが良いがFやI記載のタイプ物は玉数が少なく探している方もいる。
タテ落ち
穿き込み&繰り返しの洗濯により、生地表面のタテ糸が擦れ、インディゴ染料が少しずつ抜け、タテ方向に線状の色落ちが現れた状態。
ムラ糸を用い、均一に織ることができなかった旧式の力織機(後述)で製造したデニム生地に見られる特有の表情であり、均一に大量生産できる現代の革新織機による生地では得られない。
ヴィンテージ及び、その素材感を再現したジーンズの醍醐味であると同時に、“格好いい色落ち ” の基準とされている。
チェーンステッチ 縫製の裏側が鎖状になったステッチの名称。洗濯をすると縫製糸の縮みによってステッチの目がギュッと詰まり、生地との縮率の違いから迫力のあるパッカリング(後述)が現れ、結果としてメリハリの効いたアタリを生み出す。
そのためヴィンテージタイプなど味わいを大切にしたいジーンズを丈上げする場合は、裾をチェーンステッチで縫うのがよしとされ、専門店や一部こだわりショップで受け付けてもらえる。
トゥウィッチラベル 防縮加工を施していないLeeのレザーパッチの事。
トップボタン
ウエストバンドの中央にあるボタンをトップボタンと呼ぶ。一般的にはこのボタンにはブランドロゴが入っているが、大戦期のモデルには当時の既製品である無地や月桂樹柄などのボタンが使用されたものも存在する。古い年代の物では鉄製のボタンになり、現代まで残ったヴィンテージの物を見ると多くがさび付きエイジングされて発見されるものが多くある。
トリプルステッチ ワークパンツに見られるディテール。アウトシームが2本針ステッチではなく3本針ステッチの事をいいます。トリプルステッチにする事により耐久性を持たせる事が可能。ワークパンツ以外であればカバーオール、シャンブレー、ダンガリーといったシャツに見られる縫製。
斜めe 1940の中頃までのタグに見られるものでLeeのeが斜めになっている。転がりeとも呼ばれる。
生デニム RAWデニムともいう。RAW=「生の、加工していない」という意味で防縮加工、洗い加工など一切していないジーンズを生デニムという。その為、洗うと大幅に縮みが出る。
ナンバー2デニム XX生地よりも薄めで染めの濃度を落とした廉価版デニム生地を示す。リーバイス=赤耳と思いがちだがNO.2デニムは青耳。1900年~43年頃まで存在。生産数は少なく廉価版の為、現存数も少ない事から希少価値は高い。有名どころだと211、213、201がNO2デニムに該当する。
ナンバー3デニム NO.2デニムよりさらに廉価版となるのがNO.3デニム。主な品番として333という品番が存在する。詳しい情報がない為、現段階ではNO.2デニムのさらに廉価版という事しか分からないのがNO.3デニム。
布パッチ 廉価版の201、211,213や30年代の701などに見られるパッチ。リネンパッチとも呼ばれている。
ハウスマーク 1910年代頃から40年代まで使われていたLeeの家形のラベルデザインの事を示す。
パッカリング
洗濯をすることで生地&縫製糸の縮率の違いから引きつりや歪みが生じ、シワが連続して寄った凸凹の状態のこと。凸部分は擦れやすく、より色落ちしやすくなるため、そこにコントラストが生まれ、立体感のある豊かな表情がもたらされる。
ジーンズではポケット口やヒップのヨーク、裾口など要所に現れるが、とくにチェーンステッチ(先述)で縫われた箇所ほど迫力のあるパッカリングが刻まれる。
バックシンチ リーバイスに限らず、ほぼ全てのバックシンチが第二次大戦期に姿を消した。これはもともとサスペンダーで吊っていた時代のウエストサイズ調整用。デニムジャケットでは50年代までデザインは残っていくが車のシートなどを傷つけるという理由から針刺しではなくなっていく。
バックポケット
お尻の位置にあるポケットのこと。バックポケットの両サイドを外からリベット留めした仕様は、リーバイスは1936年に廃止。多くのワークパンツも1950年頃には廃止した。そのため、この有無によってある程度の製造年代を推測できるポイントとなる。バックパケットのステッチのデザインで各ブランドの個性がでる大事なポイントでもある。
パッチ
ウエストバンドの後ろ側に取り付けられた、ブランドや型番などの情報が刻まれたパッチのこと(革製のものは革パッチとも)。ネームラベルの素材は、ブランドによって様々だが、高級ブランドは革製のものが多かった。最も参考にされているリーバイスは、1950年代半ばに革製から紙製に変更。革製だった時代、廉価モデルには下の布製ラベルが付属した。現在は牛革パッチが主流であるが当時はディアスキンが使われていた時代もある。
バンザイ縫製 ウエストの帯付けの際にベルトループを一緒に縫いつけるため、ベルトループがバンザイした状態になることから名付けられた行程です。
ヒゲ
ジーンズの股から太腿に掛けて、線状に広がった穿き込みジワの色落ちを指す俗称。そのカタチが、動物の頰ヒゲに見えることが名の由来。これに対し、膝裏に現れる色落ちを “ ハチノス ” とも呼ばれ良きコントラストの色落ちであるヴィンテージは高値で取引される基準ともなる
左綾織 左綾織のデニムは糸の撚りの方向と同じ方向で織りあげるので、しなやかで馴染みやすく、凹凸の少ないフラットな生地面が特徴です。右綾織りに比べて、はき心地はソフトに感じる印象が生まれます
LEEやラングラーが代表的な左綾のデニムを使用したブランドなります。
BIG E 1936年9月〜1971年3月までのリーバイスの商品には『LEVI'S』のEが大文字で表記されている。これをBIG Eと呼ぶ。1971年3月以降に 表記が変わりLevi'sのeが小文字の場合はスモールeと呼びます。
ひと筆縫い ジーンズの後ろポケットを縫い付ける時に用いられる縫製方法です。
縫い始めから終わりまで一筆書きの要領で一気に縫い上げるので、高度な技術が必要になりますが、ほつれにくい仕上がりになります。
バックポケットや腰帯と革パッチを縫いあげる縫製仕様です。
5ポケット 1901年製の501XXよりバックポケットが左右に付いたことから5ポケットスタイルになる。
なおこのモデルは5ポケットの元祖とも呼ばれ、現代に至るまでデニム愛好家が
こよなく愛する形である。
Vステッチ 501XXの最終期(ギャラなし期)まで見られるトップボタン近くに施されたVのステッチの事を示す。当時のミシンには返し縫いという糸ほつれ防止の二重縫いが出来ない為、ほつれの対策としてVステッチを採用していた。
フラッシャー バックポケットに付けられたペーパーラベルの事を示し分かりやすく言うと商品の説明書。製品の素材やシルエット、洗うと縮むといったシュリンクの表記など記載されている。またブランドのキャラクターなども書かれていたりする為アイキャッチの目的もある。また年代によってはデザインが変わったりする事もありフラッシャー付のデニムは価値が上がっている。
プリシュランク リーバイスで使われる防縮加工が施されたデニムの事。505‐0217のように品番の後に素材番号を表記される。02が付くとプリシュランク。01はシュリンク。
ブルーベル社 1904年創業の老舗ワークブランド。この会社はマーベリックやBIG BEN、のほかリーバイス、リーと並ぶジーンズ3大ブランドの一つラングラーを1947年に設立。
フロントフライ 前身頃の生地が重なる部分をフロントフライと呼ぶが、ジーンズにはボタンフライ、またはジッパーフライの2種類が存在する。一般的には生機キバタ(洗うと縮む)デニムは前者、防縮加工デニムは後者が多い。なぜなら生地が縮むと、ジッパーが噛み合わずに破損してしまうため。
ヘア・オン・ハイド Leeは1926年に世界初のジッパーを採用した101Z をリリースしそれに合わせて初のレザーパッチを採用。カウボーイ達に馴染みやすいように毛の付いたカウハイドに焼印を施したパッチの事をヘア・オン・ハイドと呼ぶ。
ベルトループ その名の通り、ベルトを通す輪っか状の部分を指す。1920年代ころからベルトが普及し始めたことで、ジーンズにもベルトループが付けられた。
ペンキステッチ 1943年、戦争により物資統制が施行される。リーバイスでもディテールの変更が行われ、その1つにバックポケットにはアーキュエイトステッチではなくペンキでステッチを施した。現存するS501XXでペンキステッチが綺麗に残っているものはほとんどない。
ポケットスレーキ
ポケットの内布のことで、第二次大戦期は物資が不足したことから生成りコットンツイル生地ではなく、様々な生地で代用された。珍品ではデニムやネル、ヘリンボーンなどがある。この部分のリベット裏側が銅のものほど旧く、リーバイスでは1960年代前半まで使われていた。
ボタンフライ 501のディテールの1つ。54年にジッパータイプである501ZXXをリリースするも翌年55年にはボタンフライに戻す。それ以降501はボタンフライ。501ZXXは502という品番に変更となる。
股リベット 第二次世界大戦期までは、リーバイスに限らず多くのメーカーのジーンズやワークパンツの股にリベット補強が施されていた。その後、物資統制によって廃止され、1960年代頃からカンヌキ留めによる補強がなされた。
ムラ糸 ヴィンテージの素材を語るうえ、表現するうえで欠かせないポイントの一つであるムラ糸。
1本の糸に、太い部分、細い部分を人為的にランダムに施した糸のことを指します。
紡績技術が発達する前には、糸のムラはきれいなストレートの糸を作ろうとしても自然に発生してしまっていた。しかし、糸にムラがあることから生み出されるタテ落ちなどの色落ちが、近年になり味わいとして再評価されたことから、作られるようになった。均一な糸が引ける時代に開発されたムラ糸は、ヴィンテージ・ジーンズの再現のみならず、ユーズド加工表現に奥行きを与えることにも寄与した画期的な紡績技術といえる。
綿糸 文字通り綿の糸。1960年代後半までリーバイスのジーンズの縫製糸に使われていたとされる。本体の色落ちとともに縫製糸も色落ちし変化してくれる。現在の主流はスパン糸がほとんど。綿の糸で縫うことで洗いこむごとに糸がしまり良いパッカリングがでてくる。
ヤコブ・デイビス ジーンズ誕生の生みの親ともいえる人物。労働作業に適した丈夫なパンツを作るのに、ダック地に縫い目とポケットの補強に銅リベットを取り付ける事を考案。これが労働者の間で好評。その後取引先であったリーバイスと共同でリベットの特許申請。1873年5月20日に特許取得。
UFOリベット 40年代のペインターパンツによくみられるリベットでUFO のような形状をしている事からこの名称で呼ばれており、ドームリベットともいわれている。
Lee カウボーイ Leeの30~40年代に存在するカウボーイはVintageの中でもかなり高額で取引されているモデルでリーバイス同様に大戦時期には月桂樹ではないがLee COWBOYの浮彫りのドーナツボタンを採用している。
リーバイ・ストラウス リーバイスの生みの親であり創設者。ジーンズの生みの親でもある。1829年ドイツ生まれ。1853年にリーバイ・ストラウスを創業。1873年にリベットを使ったジーンズをヤコブデイビスとともに製造、1890年に501をリリース。1902年に死去。
Lee ライダース 40年代の後期頃からカウボーイからライダースへと名称が変更される。名称の変更理由としてはターゲットを幅広く設定したからだと考えられる。
リジット リジットとは生デニムと未洗いで防縮加工が施されたデニムの事。よくリジット=生デニムといわれる事が多いが、生デニム+未洗いで防縮加工が施されたデニムが正しい。洗いのかかっていないデニムはリジットという扱い。
リベット
リベット留めによる補強は、1873年に特許を取得した、いわばジーンズを象徴するものでありリーバイスブランドが労働者に広く愛されることになったのもリベットによるポケットの強度であった。当初は平たく中央に叩いた痕のある形状だった。リーバイスはこの刻印である程度の年代判別ができる。
リンス ワンウォッシュの事を示す言葉で、ワンウォッシュさせて縮ませているデニムをリンスデニムという。
レイジーS 1944年以降のバックポケットに見られるディテールで緩やかなS字のステッチの事を示す。
ロープ染色 ロープ染色は何本もの糸を束ねてロープ状にしてロープ染色機を使い、高い位置からインディゴの入った液層に糸を漬け、引き上げる作業を繰り返し行います。インディゴ染料液が入った液層から引き揚げたばかりの糸は黄色〜黄緑色で、空気に触れる事でインディゴが酸化し青色に発色します。インディゴ染料自体は水に全く不溶で、それだけでは綿糸を染める事は出来ません。染色する為には、インディゴ液を還元状態にして水に溶解し、初めて染める事が可能になります。インディゴは色が入りにくく一度染めただけでは濃い色に染まらない為、何度も何度も浸けては引き上げる作業を繰り返しインディゴの色を濃くしていきます。回数が多いほど濃く染まっていきますが、、なかなか中まで染まらず表面だけが染まるため、中白の状態になるため、いい色落ちのするデニムになります。ヴィンテージデニムのようなデニムを作るにはロープ染色の工程は欠かせないものとなります
ロングLボタン Leeの Lが横に伸びたロゴデザインの事を示す。1950年頃までのボタンにみられる為、目にする機会は多い。